出張先のホテル、家具の隙間のわずかな床。器具も広さもない場所でも、畳1枚ほどのスペースがあれば、自分の体重だけで組み立てられる形はあります。ここでは初めての方に向けて、種目の選び方・量の目安・集合住宅での配慮を短くまとめます。
畳1枚でできる4つの動き
自宅で迷いにくいのは、種目名ではなく動きの種類で選ぶ方法です。走る人の下半身は、膝を曲げ伸ばしする動き・片脚で支える動き・足首で押す動きの3つに分けると整理しやすくなります。この3分類は走る人の下半身筋トレ——最初に覚えたい3つの動作パターンで詳しく扱っています。ここに姿勢を保つ体幹の種目を1つ足すと、道具なしでも一通りの形になります。
| 動きの種類 | 種目の例 | 始めるときの目安 |
|---|---|---|
| 膝の曲げ伸ばし | 自重スクワット | 10回 × 2セット |
| 片脚で支える | スプリットスクワット | 左右各8回 × 2セット |
| 足首で押す | カーフレイズ | 15回 × 2セット |
| 姿勢を保つ | プランク | 20〜30秒 × 2セット |
スプリットスクワットは足を前後に開いて沈む種目、カーフレイズはかかとの上げ下げ、プランクはうつ伏せで体を一直線に保つ種目です。
この回数はあくまで目安で、体力や経験には個人差があります。フォームの細かい点、たとえばどこまで沈むかや膝の位置は走る人のスクワットのフォームを、片脚種目の選び方はランジとスプリットスクワットは走りに効くのかをご覧ください。一つずつの手順は種目ガイドで確認できます。

週2回、物足りないくらいから
始めるときは、量を欲張らないほうが続きやすくなります。走る練習が中心である以上、筋トレで脚を使い切ると翌日の走りに響くことがあるためです。一つの目安として、上の表の量を週2回、2週間ほど続けて様子を見る形から始めます。増やし方の考え方は走る人の筋トレ、何回・何セット・週何回?にまとめました。
そもそも走る人に筋トレがどう役立つのかは、ランナーに筋トレは必要か——研究が示していることで研究をもとに整理しています。
初心者のうちは、「もう少しできそう」というところで止めておくほうが、翌週も同じ量を続けやすくなります。反応には個人差があり、この形を続ければ走りが速くなる、と言えるものではありません。走りの土台づくりの一部として考えていただければと思います。

音・振動への配慮と、痛みが出たときの扱い
集合住宅では、跳ぶ種目は避けたほうが無難です。ジャンプ系は床への振動が大きく、時間帯によっては近隣への配慮が要ります。ここで挙げた4種目は、ゆっくり動けば音がほとんど出ません。マットや厚手のタオルを敷くと、床に当たる音や滑りをさらに抑えられます。
体重だけでは物足りなくなってきたら、持ち運べるゴムバンド(ミニバンドやチューブ)を足す方法もあります。選び方はミニバンド・チューブの選び方で扱っています。
痛みが出ている部位は動かさず、休んでも引かない痛みは受診をご検討ください。トレーニングは、痛みを我慢して続けるものではありません。
