レースタイム換算持ちタイムから、他の距離を幅で見る

いま持っている記録を、別の距離に言い換えるとどうなるか。ひとつの数字ではなく、で表示します。使っている係数がどこから来た数字なのかと、どの距離で外れると報告されているかも、同じ画面に出します。

これは換算であって、練習で走るペースの指定でも、レース当日に走れる速さの予告でもありません。

入力した内容はお使いの端末の中だけで計算され、サーバーには送信・保存されません。

その記録のタイム

1時間未満なら「時間」は空欄のままで大丈夫です(例: 50分00秒)。

使っている式と係数

換算には T2 = T1 ×(D2 ÷ D1)kを使っています。T1が持っている記録のタイム、D1がその距離、D2が知りたい距離、T2がその見積もりです。kは疲労係数と呼ばれ、距離が延びるにつれて速度がどれだけ落ちるかを表す量と説明されています。

このツールでは、kを1つに決めていません。出どころの違う2組の値を使い、その両方を含む幅として表示しています。

  • 1.06〜1.08——市民ランナー2,303名(インターネットでの自己申告。女性890名、年齢の中央値35歳)の記録で、予測と実測のそろい方を調べた研究が使った値です。1.06は世界記録から導かれた値と記述され、1.08はリーゲルがエリートに挙げた値として引用されています(Vickers & Vertosick, 2016/Blythe & Király, 2016)。なお1.06の出どころについて、2本の論文の記述は完全には一致していません。
  • 1.10〜1.15——英国の公式競技記録164,746名・1,417,432記録から、ランナー一人ひとりの係数を推定した結果の分布です(中央値1.12、5・95パーセンタイル1.10〜1.15)。主要な解析は男性101,775名で、著者は対象を英国のランナーの上位25%と記述しています。女性の分布は示されていません(Blythe & Király, 2016)。

この2組目の使い方は、論文がやったことではありません。一人ひとりの係数を集めた分布を、そのまま「一人の予測がどれだけ動きうるか」の幅として当てはめたのは、当サイトの判断です。あなたの係数を測った数字ではありません。また、日本人ランナーの係数を推定した研究は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。

この幅は、外れ方の全部ではありません。マラソンで予測が速い側に外れると報告されているずれは、係数の取り方とは別の原因で生じます。予測式そのものも1本に絞れる段階になく、マラソン成績の予測式を集めた系統的レビューは36研究から114の式を同定し、推定の標準誤差は0.27分から27.4分まで報告されています。著者らの結論は、すべてのランナーに正確な単一の式は存在しない、というものでした(Keogh et al., 2019)。

入力できるタイムの範囲は、入力ミスを見つけるためのものです。式が使える範囲を示したものではありません。リーゲル式の適用範囲を時間で示した一次情報には、今回到達できていません。

出典

  1. Blythe, D. A. J., & Király, F. J. (2016). "Prediction and quantification of individual athletic performance of runners." PLOS ONE, 11(6), e0157257.doi:10.1371/journal.pone.0157257
  2. Vickers, A. J., & Vertosick, E. A. (2016). "An empirical study of race times in recreational endurance runners." BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation, 8, 26.doi:10.1186/s13102-016-0052-y
  3. Keogh, A., Smyth, B., Caulfield, B., Lawlor, A., Berndsen, J., & Doherty, C. (2019). "Prediction equations for marathon performance: A systematic review."International Journal of Sports Physiology and Performance, 14(9), 1159–1169.doi:10.1123/ijspp.2019-0360
  4. Riegel, P. S. (1981). "Athletic records and human endurance." American Scientist, 69(3), 285–290.PMID: 7235349(査読誌ではなく科学一般誌。今回の調査では本文に到達できていません)
本ツールは、公開されている研究で報告された係数に入力されたタイムを当てはめて換算値を表示する、一般的な情報提供を目的としたものです。特定の個人に対する評価・診断・医学的助言・治療を目的とするものではなく、達成できるタイムを保証・予告するものでもありません。表示される幅は目安であり、結果には個人差があります。心臓・血管の持病がある方、運動中に胸の痛み・強い息切れ・動悸を経験したことがある方、健診で指摘を受けている方は、記録会・レース・タイムトライアルなど全力で走る場面に臨む前に、医療機関にご相談ください。走行中や直後に胸の痛み・意識が遠のく(または失う)・強い呼吸の苦しさがある場合は、直ちに運動を中止してください。症状が強い・治まらない・意識がはっきりしないときは、周囲に助けを求め、救急要請を含めた緊急の対応をためらわないでください。これらは注意したい症状の例であり、当てはまらなければ安全という意味ではありません。入力した内容はサーバーに送信・保存されません。